暮らしのこと農のこと

自然と身(み)

海の近い我が家では台風一過は家中に水まきすることからはじまります。
先日の台風も塩害の影響が強くて、家の窓も車も塩でベタベタでした。

家屋が壊れる被害はなかったものの、畑のダメージは深刻です。
植え付けしたばかりの秋冬野菜の苗は全滅
ブルーベリーは散水もむなしく、葉が一瞬で茶色くなってしまいました。
幸い枯れてはいないので、また春に芽をだしてくれることを祈ります。

内陸の農家さんにも被害が出たようで、秋冬野菜の植え直しがあったり
はざ掛け(お米の天日干し)をやり直すところも多かったようです。
自然豊かなこの土地は、恵みが多い分だけ自然からの害も受けます。
快適に暮らすためには、自然との折り合いが必要です。


移住したての頃は、そんな折り合いの工夫がわかりませんでした。
そこで、地元農家さんに畑のこと、暮らしのことを色々質問するのですが
理由を尋ねても「昔からそうだ」と言われることが多かったのです。
長年の暮らしのなかで体感的に身についたものなんでしょう。
外から知ろうとする者にとっては職人技を見て盗むような心境です。

はじめは頭で考えようとして、理解できないことがありましたが
最近は自分の頭と身体もだいぶ農的になってきたように感じます。
ある時、昔からの農法・家づくり・人の考えに共通するものに気づきました。
それは、自然と戦わない、むしろ負けてもよしとする考えです。
勝ち負けというより、もともと一つのものという考え方なのかもしれません。


一方で現代の暮らしは、自然と戦う考えが強いように感じます。
科学技術が発達して、昔では考えられなかった事が実現できるようになり
戦って勝つという考え方が当たり前になっているのかもしれません。

最近の気候変動や自然災害の報道を見ていると
あらためて自然と正面から戦うには相当な力がいるんだと感じます。
自然の力が予想を超えたり、力負けしてしまった時のことを考えると
勝つことの前提は成り立たなくなるのかもしれません。

今さら昔暮らしに戻ることは難しいし、得た技術を捨てる必要もないけど
今に合わせて上手く負ける発想を取り入れていきたいと思いました。

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